リソ活♡

毎日リソルまみれ

リソルと2年記念日♡

11月22日!
今日でリソルと恋人になって丸2年。
リソルが帰って来ている頃合いを見計らって
勢い良く祈望館のリソルの部屋のドアを開けた。

「……何?」

テーブルに向かい何か書いていたリソルは
ペンを止め、やかましいなぁというように主人公を見上げた。

…あれ、もしかして今日が何の日か分かってない?

自分とリソルとのテンションの落差に気付き落胆しつつ、
「オルフェアでケーキ買って来たから食べよう?」
と言ってリソルにケーキの箱を渡す。

「ん」

リソルは箱を受け取りテーブルの上を片付けた。
主人公は片付いたテーブルの上にコーヒーを
ふたり分淹れて置いた。

「……ねえアンタ、ケーキの箱振り回してきたの?」

「え」

あー、やっちゃったかなあと思いながら
箱を恐る恐る覗くと可哀想な見た目になった
クロバットケーキがぐったりしていた。
あー、やっちまったなあ…!

「お腹の中に入っちゃえば同じ同じ!」

「…はいはい」

主人公といるとこんな事はしょっちゅうだ。
始めの頃は「なんて間抜けな奴なんだ」と
心底呆れたりもしたが、
今ではこのぽやぽやっとしたところが
世界を救う盟友の重責とのバランスを
とっているのかもしれないなと思う。
そばにいると自分のかたく閉じた心が
開かれるような、そんな気もする。
えーっと…つまり、変な奴って事。
主人公ほど変な奴もなかなかいないと思うね。

「…怒ってる?」

いつの間にか主人公がじーっとこちらを見ていた。
いやいや、今さらこれくらいの事で怒らないから。

「怒ってないって。ていうか主人公こそ怒ってない?」

「…別に」

どうやら怒っているようだ。
のほほんとした主人公が怒るなんて珍しい。
ここに来るまでは元気良く
ケーキの箱を振り回してたみたいなのに。
部屋に入ってから今までの間に
主人公が怒るような事があったか?
…ああもう、女って面倒くさい!

部屋に椅子が1つしかないので
主人公はケーキを片手にベッドに腰掛けた。
いつもならリソルも並んで隣に座るが、
普段と違う様子の主人公をよく見ようと椅子に座った。
だが見た目は特に変わりはない。
…はぁ、一体何なんだよ。

「今日………………だよ」

小さい声で主人公が言った。
小さ過ぎて聞こえない。
今日が何だって?

「え?何?」

「今日で付き合って2年だよ!
リソルは何とも思わないんだね。
覚えてないんだね。
大事じゃないんだね…」

それで怒ってるのか!
記念日ってやつか。
タヌキ先輩が絶対忘れるなってうるさく言ってたやつ。
去年はどうしたんだっけ…?
いやそれは今どうでもいい。

「そんな事で怒ってたの?」

「そんな事…?」

リソルの言葉に主人公が悲しみの色を濃くする。
リソルは椅子から立ち上がって主人公の隣に座った。

「オレにあと何千年愛されると思ってるの?
たった2年で騒がないでよね」

「せん…」

主人公は顔を真っ赤にした。

「でも私、百年くらいで死んじゃうし!」

「アンタの事、簡単には死なせないよ。
それに忘れたの?
死んでも愛してやるって言ったでしょ」

口をパクパクさせる主人公。

「顔にクリーム付いてるよ」

リソルは主人公の顔に手を伸ば…さずに
顔を近付けてきた。

「え、あの、ちょ」

直に!?わあああああ!!?
ていうかそこにはクリーム付いてないよね!?

主人公はパニックである。

   ※ ※ ※

リソルは主人公から顔を離すと
ニコッと笑って言った。

「ホント主人公には飽きないよ。
これからもよろしくね♪」