「ねえリソル、バージョン7の新職業ってなんだか知ってる?」
「知らないし興味無いしバージョンって何の話?」
「えー知らないんだ〜。マッサージ師だよ。(※嘘です)」
「あっそ。」
「あのね、こーゆー感じ。」
そういうと花嫁はリソルの手を掴み、何かを塗りだした。
「いきなり何?」
それは油分を含んだ何かのようで、滑りがよくなるらしく、花嫁はリソルの腕をなめらかにぎゅうー、むにむにーっと手で引きながら絞り始めた。
その後も指先でぐっと押したり手でわしっと掴んだりぐるぐると撫でたり細かく叩いたりぶるぶる揺らしたり。
リソルの指をぐるぐるとなぞってぎゅっぎゅと挟んだりぬるぬるしごいたり。
「……。」
何だか指じゃなくて違うものを想像しそうになる。
花嫁はリソルと恋人繋ぎをすると、そのまま自分の手のひらをリソルの手のひらにぱかぱかぱかぱかと打ちつけだした。始めはゆっくり、次第に早く激しく。段々ゆるめて。それを三度繰り返す。
「待っ……え?ちょ、何。」
こ、これは……!?
「はい、おーわり!」
呆気にとられているリソルを花嫁はくすくす笑いながら。
「もうすぐマッサージの指名の時間だから行くね!じゃあね!」
「ちょっと待って!?それ本当に普通のマッサージ!?相手は男!?ねえ!!」
不思議の国のアリスのチェシャ猫のようなニヤニヤ笑いの残像を残して花嫁はルーラストーンで消えた。
「どうしてくれるんだよこれ……。」
リソルは溜息をついた。