リソ活♡

毎日リソルまみれ

リソルの欲しいもの♡

今は魔界大戦の小休止。
混沌の最中にある魔界の戦争は
未だに終わる気配はない。

三国が傷付け、傷付けられ、
裏切り、裏切られ
それぞれ大きなものを失った。
今はその失った代償に訪れたつかの間の静けさだ。

ただ、暗闇の中に目を凝らせば
魔界やアストルティアを我が物にせんと
野心でギラギラした何者かと目が合ってしまいそうだ。
そんな得体の知れない静けさだった。

リソルと恋人になって1年と半年。
嵐の前の静けさだからこそ振り返ってみた。

魔仙卿の話から察するに、
魔界大戦が終わる頃には主人公はもう、
リソルの側にはいられないかもしれない。

だから...もしかしたら最期になってしまうかも
しれないから...。
何かリソルが喜んでくれるような事、したいな。
今まで、何かして喜んでくれた事、あったかな...?

そう言えばリソルの誕生日とか
祝った事ないし...。
(訊いても教えてくれないのだ。そもそも魔族だし
誕生日なんてないのかな?)

うーん、何も思い付かない...。

困った主人公はルーラストーンを掲げると
どこかへ飛んでいった。

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「なあリソル...、お前何か欲しいモンねえか?」

「なんなの突然?ていうかおバカ会長から
物貰ったらバカがうつりそうだからいらない」

「なっ?!お前失礼にも程があるだろ!?」

食堂でアイゼルから訊かれ、

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「やあリソル。キミも図書室に来るんだね。
そう言えば丁度訊きたかったんだけど
今何か欲しい物ないかい?」

「辞書...とでも言うと思った?
辞書なら王子サマがいれば充分だよ」

「ありがとう。でも僕が知りたいのは
そういう事じゃなくてね」

「褒めたつもりじゃないんだけど?」

図書室でミランから訊かれ、

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「あ、いたいたリソルくん。あのさ、
ちょっと訊きたい事あるんだけど、いい?」

「...なんなのさ、タヌキ先輩」

「タヌキ呼ばわり禁止!じゃなくてさ。
ねえ、リソルくんて欲しい物ないのー?」

「アンタらみたいな人間が魔族のこのオレに
施ししようと思ってるわけ?100年早いんだけど」

「リソルくんてほんっと可愛くない!」

テラスでクラウンに訊かれ、

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「あ、リソルさん!」

「なんでがっかりナデシコがこんな所にいるのさ」

「ちょっと訊きたい事があってお待ちしてました。
あの、リソルさんは今欲しい物ありますか?」

「...アンタだったら何が欲しいの?」

「えっとそうですね...レベル105の斧とかダンベルとか...
あれ?リソルさん?リソルさーん!」

教室前でフランジュに訊かれ、

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「リソル...欲しい物、何」

「まさかドラキー女にまで訊かれるとはね」

「いいから答えんか、リソル!」

「やだね。教えた所でアンタたちには用意できっこないし」

他クラスとの合同授業でラピスとメルジオルから訊かれた。

これだけ訊かれれば流石に誰だって分かる。
リソルはフウキの対策室へ向かうと勢いよく扉を
開けた。

「ねえちょっと主人公!帰って来てるなら
オレに挨拶くらいしたらどうなの?!
それと!アイツらにオレの欲しい物訊けって
言ったのアンタでしょ!?どういうつもり?!」

えー、あー、とバツが悪そうな顔をしている主人公。


「魔界行くって言うから心配して待ってたのに
何にも連絡寄越さないしさ!」

そこまで捲し立てて気付いた。

「え...?なんで...?アンタから、魔の...」

主人公は今は言えないけど
後で全部言う、と言った。
驚きと怒りで固まったリソルを
ここじゃ誰か来るかもしれないから、
と言って祈望館のリソルの部屋まで
引きずるように連れていく。

リソルは力なく椅子に腰をおろすと
「嘘だろ...」と呟いた。

「血の契約を...?」

主人公は小さく頷いた。

「相手は誰?」

主人公はそれは今は言わない、と言った。

「...」

怖い顔で黙りこんだリソルに
主人公は「魔族になれば寿命が長くなるじゃないか」と言った。

尚も難しい顔をしているリソルに
「前にリソルが魔族にならないかと誘ってきたのに」と言った。

リソルは目を閉じて大きく息を吸い込むと

「この話は一旦ここで終わり」

と言った。

「アンタも話す気がないみたいだしね」

ごめん、と謝る主人公。
リソルは主人公に顔を向けた。

「それで?おバカ会長たちに何であんな質問させたの?」

主人公はリソルにいつも何かして貰ってばっかりだから
自分も何かしてあげたくなったのだと説明した。

「オレの欲しいものねえ...」

リソルは腕を組んで苦笑した。

「裁縫部のメロチカさん、だっけ?
あの人が作った物を着て欲しい、とか言っても
アンタはピンとこないでしょ?」

案の定ピンとこない様子の主人公。

「やっぱりね。いいよ、アンタには
まだ早いって事さ」

他にないのかと食い下がる主人公に

「そんなに言うなら...じゃあ...」

とリソルは笑った。