リソ活♡

毎日リソルまみれ

リソル♡バレンタイン

ポストから物音がして主人公は目が覚めた。
パクレ警部が宇宙人になる夢をみていたのですっきりしない気分だ。
どうしてあんな夢をみたのだろう?
先日アルウェーンへ行ったからだろうか。

ポストを開けるとリソルからの手紙が届いていた。
消印が無いからまたリソルがポストに入れに来たのかな。
辺りを見回すがそれらしい人影は無い。

手紙には「2月14日の昼過ぎに祈望館のオレの部屋に来て」と書いてある。
今日は2月14日…バレンタインかな?
確かこの辺りの風習では女性が男性にチョコを渡して告白する日だったような…。
またミランに何か吹き込まれたのかなあ。
まあとにかく、リソルに渡すお菓子を作ろうかな。
主人公は旅人バザーでしんせんたまごやおいしいミルク等を購入すると急いでお菓子を作り始めた。

お昼過ぎ、ゼエゼエと肩で息をする主人公が祈望館の前にいた。
お菓子は無事に出来たものの、ラッピングの事を考えていなかったので時間がギリギリになってしまったのだ。
結局丁度いい入れ物が見付からず、錬金釜に入れて持って来てしまった。
リソルは魔族だから細かい事は気にしないでくれるといいな…。
呼吸を整えリソルの部屋のドアをノックする。

「…チッ、誰だ?」

自分から呼び出したクセにいつものように舌打ちをするリソル。

「おはよう主人公。入りなよ」

部屋に入ると「外寒かったでしょ」と言ってリソルが温かいコーヒーを出してくれた。リソルにお礼を言ってコーヒーカップに口をつける。

「王子サマから聞いたんだけど、人間界ではバレンタインに愛してる女性へ花を渡したり食事をご馳走したりするんでしょ?だから今日はこれ、主人公に」

リソルはローズの花束を主人公に渡した。

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「人間界には花言葉なんてものがあるんだってね。花屋さんがローズの花束の花言葉は永遠の愛だっていうからオレが主人公に渡すのにピッタリだと思って」

リソルに屋上で「死んでも愛してやる」と告白された時の事を思い出して照れてしまう主人公。
それと、魔族のリソルがメギストリスで花束を購入するのを想像すると微笑ましい。

お返しに主人公も錬金釜からケーキを取り出して渡す。そして、この辺りの風習では女性が男性にチョコを渡すのだと説明した。
リソルは、主人公がこんなに喜んでくれたなら別にいいやと気にしていないようだ。

ケーキは、リソルが前にコーヒーが好きだと言っていたのでコーヒー味にした。
リソルが口を開けてあーんを要求してきたので主人公はあーんをしてあげた。するとふわふわのケーキからはしないであろう、ガリッという音がリソルの口の中から聞こえた。どうやら卵の殻が入ってしまっていたようだ。
主人公はごめんね、美味しくないよねと落ち込んで言う。
リソルは主人公が気にしないようにと美味しいと言いながらいつもより速いペースで平らげてくれた。
主人公はありがとうと言ってリソルを抱きしめた。目を閉じるとリソルの温かい心臓の音が聞こえた。